建物は、それ自体が動くことはないものの、時にはあるはずの場所から消えてしまうという噂がある曰くつきの建物も少なくない。

大抵は見間違いだとか、角度の問題だったりするのだが、中には人が辿り着くことを嫌がるかのように、幾ら探しても入り口が見つからないようなものもあるという。

そしてそれは、何も山奥の一軒家などではなく、大都会のど真ん中にも存在しているという話がある。

某都市のJR、M線沿いには、決して辿り着くことの出来ない建物があるといわれている。

その建物はlbsというロゴ看板が屋上に設置されたビルで、このM線を走る電車から眺めると、窓の外に確認することが出来るのだとか。

しかし不思議なことに、この建物に辿り着くことは出来ないという。

周辺には企業ビルが林立しており、間違えるはずはないのだが、幾らその付近の土地勘があってもlbsビルには到達することはないそうだ。

ある人物は、どうしてもlbsビルの入り口を発見しようと付近を散策したものの、どれだけ時間を掛けて探しても、結局見つけることは出来なかったという。

だが、諦めて電車に乗ると、その窓の外からはlbsビルの姿が確認出来たのだとか。

そこは決して見落としているような区画ではなかったそうだ。

果たして、この不思議な建物にはどうやったらたどり着くことができるのだろうか。