建国の父、国民の太陽として1948年に北朝鮮の指導者に就いた金日成。多くの人民がお世辞抜きにこの金日成が存命していた時代は良かったと言うが、それはあくまでも現状に比べての話であって、本質は劣悪な環境であったことが今では諸外国に知れ渡っている。
かつてこの日本でも「北朝鮮はこの世の天国である」という噂が駆け巡り、多くの日本人がそれを信じて遠い冷帯の地である北朝鮮に渡った。


北朝鮮に行ったある人物の知人Aは、定期的に届く北朝鮮からの手紙を受け取っており、内容はやはり北朝鮮は天国であるというふうな内容に終始しており、インフラも充実しているというように絶賛されていたという。実際にはほとんど電気が通っていない国であったにも関わらず、こうした手紙が送られたということは、恐らく北朝鮮はこの当時から検閲を行っていたのであろう。

いつも通り一遍の内容の手紙を受けるのも苦痛になっていたAだったが、あるとき貼られていた切手が剥がれかけていることに気付き、何となく剥がしてみたところ、切手の裏地には小さな文字で「ココハジゴク タスケテ ダシテ」と記されていたのである。驚愕したAだったが、結局どうすることも出来ずみすみす見殺しにしてしまった。

Aは亡くなる少し前に家族にそのことを打ち明け、手紙を実際に証拠として見せたのだという。彼は仲間を救えなかった自分の臆病さを晩年まで悔いていたのだ。

北朝鮮によって苦しんでいるのは、なにも北朝鮮国民だけではない。私たちの国日本にも、その被害は及んでいるのである。