先頃行われたサッカーW杯アジア3次予選において、我が国は首都平壌において北朝鮮と対戦し、黒星を喫したことを憶えている方は多いだろう。だが、この試合、単なるアウェイ戦ではなかったことが勝敗に大きく影響しているという見方もあることにお気付きだろうか。

日本代表選手が北朝鮮入りした際、空港では検査と称して実に4時間以上の足止めがあった。これはもう露骨な嫌がらせである。

他の国の観光客が直ぐに入国審査を終える中、待機している選手が壁に寄り掛かろうとすれば、怒声を浴びせられたという。

宿泊施設においても精神的プレッシャーは続いた。部屋一面、鏡で覆われていたのだという。当然、マジックミラーではないのかという疑念が尽きなかったようだ。また、警備を名目に数名が、まるで選手たちを監視するように配置されていたのだから堪らない。宿泊している間中このような抑圧された環境が続いたのだから、肝心の試合に影響しない方がおかしいというものである。

幾ら負ければ叱責されるどころか強制労働が待っているとは言え、このような卑劣な工作が許されて良いはずはない。まるでわがままな子供である。

また、試合中も総動員された現地サポーターによる心ない日本代表への言葉や、日本からやってきたサポーターを威圧するような行為が目立ち、とても対等な戦いとは言えないものであった。17戦目にして初めての黒星となった北朝鮮戦は、狡猾で周到な北朝鮮側の心理攻撃によって最初から勝敗が決していたようなものだったと言っても過言ではないだろう。