歴史ドラマでは、便宜上全ての人物が標準語を使って話をしているのだが、もちろんこれはフィクションで、且つ視聴者の混乱を避けるための処置である。
実際には、有名な坂本龍馬に西郷隆盛などは、地元の方言を死ぬまで使い続けていたし、標準語に直そうとしたことはなかったのだという。当時はテレビもラジオも無いから、方言はもっときつかったと言われている。

ある時、津軽の大名と薩摩の大名が江戸城中で話し合うことになったが、互いの言葉がさっぱり分からず、思案の果てにとうとう筆談したという笑い話もある。

坂本龍馬は、土佐弁を終始使い続けてきたが、かつてダウンタウンの浜田雅功が「竜馬におまかせ」で主演の坂本役に扮した際には関西弁を使っており、これが一部の歴史ファンには受け入れられず、「標準語で演じるべきだ」というクレームが上がるということがあったが、普通に考えれば土佐弁を使うべきであり、このファンの主張なんてはっきり言ってどうでもいいレベルの文句でしかなかった。

ついでに言えばこのドラマは大変面白かったという記憶がある。

さて、坂本が江戸の千葉道場にやってきたのは19のとき。標準語に触れる機会は出身地の高知では全くと言っていいほど皆無だった。

上士なら殿様の参勤交代で江戸に来ることもあったのだが、彼は郷士だった。結局、坂本の成し遂げた功績は非常に大きい。