我々人類に警鐘を与える、見張っている、調査しているなどなど、様々なことが言われているUFOや異星人の話。しかし、このUFOの存在が1825年に既に日本で言われていたことをご存知だろうか。

1825年に発行された奇談・怪談を集めた兎園小説の一編『虚舟の蛮女』。

1803年のこと。常陸国(現在の茨城県)の沖合いに突如舟のようなものが浮かび現れた。全体的に丸みを帯びたその舟は、長さが約5メートルほどで上部はガラス張り、底には鉄の針金が張ってあり、継ぎ目は松ヤニで塗り固められていたという。たまたまその場にいた漁民たちが浜辺へ引き上げると、舟からは赤い髪と眉を、桃色の肌など明らかに異国の外見をした女性が降りてきた。四角い箱を大事そうに抱えた女性は、言葉が全く通じないため何を聞くこともかなわない。結局、関わりを恐れた人々は女性と舟を再び沖へと戻してしまったのだという。

船内には水や敷物・食料のほか、判読不可能な文字が書かれていたといい、その内容は実際に文献として現在も残っている。しかし、その判読不可能な文字というのが、果たして当時の人々に思い浮かべることができたであろうかというものなのだ。

時として人の想像力は意外な発想を生むことがあるが、それにしてもこの描写は中々に現実味のあるものではないだろうか。江戸時代のUFO目撃談の真偽やいかに。