「火事と喧嘩は江戸の花」と言われたほど大火事が多かった江戸。中でも「江戸三大大火」とも呼ばれる「明暦の大火」にまつわる謎がある。

1657年1月18・19日の両日で三箇所から出火し、3万〜10万人の死者をだした同火災は本妙寺が火元であると言われているが、実は、その影には女の念があったとも言われているのだ。

とある少女が本妙寺で見かけた一人の小姓に恋をした。


彼が恋しくてたまらない少女は、その時小姓が身につけていた着物と同じ反物を取り寄せ振袖を仕立て、小姓への想いを募らせる。しかし、少女は恋煩いからか臥せったまま17歳でその生涯を終え、振袖は質屋へと売り払われた。その後、振袖は二人の少女の手へと渡ったものの、いずれの少女も17歳で亡くなってしまうという奇妙な現象が続く。怪訝に思った家族らが話しあった結果、振袖は本妙寺で供養してもらうことなった。しかし、供養の最中、和尚が読経と共に振袖を炎の中へと投ずると一陣の旋風に火のついた振袖が舞い上がり、本堂などへ火を撒き散らし大火の原因となったという。これが妖かしの仕業か単なる偶然かはわからないが、少女三人が年は違えど同じ1月18日に17歳で亡くなっていることだけでも因縁を感じずにはいられない。

最近ではリサイクルやリユースとして古着を着るのが一般的だが、アナタのその古着、誰かの念が感じられたりしないだろうか。